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相続ブログ

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 4月に入りようやく春らしい日が増えてきました。高蔵寺に事務所を開設してからはじめての春です。高蔵寺をはじめ、春日井市近隣の皆様におかれましては、今後とも愛知総合法律事務所高蔵寺事務所にご愛顧のほど、お願い申し上げます。
 
 遺産分割の話し合いが相続人間で整わない場合、裁判所にて遺産分割調停を試みることになります。今回は、遺産分割調停はどこの裁判所で行うことができるのか、また実際に裁判所に行かなければならないかについてお話ししたいと思います。
 
 遺産分割調停は、原則として、相手方の住所地の裁判所か、相続人が合意した裁判所に起こす必要があります。愛知県内には、名古屋市のほか一宮市、半田市、岡崎市、豊橋市にそれぞれ家庭裁判所があり、それぞれ管轄地域が決まっています。相手方が複数人いる場合は、どの相手方の住所地の裁判所を選んでもかまいません。

 したがって、他の相続人が遠方に住んでいる場合には、遠方での調停手続きとなることがあります。また、調停は話し合いの手続きですので、書面の提出だけで進めていくことはできず、基本的には本人または代理人が出廷する必要があります。しかし、遺産分割調停は、遺産の内容や相続人の人数・キャラクターなどによっては長期化する可能性があり、遠方の裁判所で遺産分割調停を行うことは負担になるかもしれません。

 このような場合のために、法律上、電話会議システムを利用した調停手続きが用意されています。電話会議システムを利用した場合、裁判所に出廷せずに、電話で調停手続きを行うことができます。

 ただし、電話会議システムは「電話の場に第三者がいない」ことを裁判所が確認できなければ利用できません。なぜなら、家事調停手続きは訴訟とは異なり非公開の手続きであり、電話会議も例外ではないからです。弁護士事務所の電話を使うのであれば、第三者はいないことを弁護士が保証する形で電話会議システムが利用できる場合が多いといえますが、ご自宅の電話を使うのは難しいかと思います。

 また、弁護士に依頼するのであれば、代わりに弁護士が遠方の裁判所に出廷することもできます。
 
 一般に、相続人の一部が遠方に住んでいる場合は、協議の場が限られるため、遺産分割協議が難航しやすいといえますが、弁護士事務所の活用により道が開けることも多いかと思います。是非お気軽にご相談ください。

高蔵寺事務所弁護士 服部文哉

早いもので、2017年に入って1か月がたちました。今回の相続ブログでは、平成28年12月19日の最高裁判所決定(以下、「平成28年決定」とします。)について、かいつまんでお話したいと思います。

 

この決定について、ニュースなどでご覧になった方は多いと思います。「預貯金が遺産部分割の対象になるかについて、最高裁判所の判例が変更された。」という記事を見て、その影響について心配に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

これまで、預貯金については、相続人間で遺産分割をしなくても、相続の開始と同時に分割され、各相続人が法定相続分にしたがって預貯金を取得する、とされてきました(昭和29年4月8日最高裁判所第一小法廷判決、平成16年4月20日最高裁判所第三小法廷判決)。

これに対し、平成28年決定は、「共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となるものと解するのが相当である。」という判断を示しました。

 

さて、以上の内容を見て、疑問に思われることはないでしょうか。特に、平成28年決定の前に遺産分割に参加した経験をお持ちの方は、自分の経験とは違うと思われるかもしれません。

 

多くの金融機関は、遺産分割前に各相続人が自分の法定相続分に相当する額の預貯金の払い戻しを求めても、簡単にはこれに応じてくれないことが通常でした。遺言がない場合には、相続人全員の実印での押印のある遺産分割協議書と、印鑑証明書がなければ、払い戻しに応じてはくれないことがほとんどでした。

また、これまでの判例も、相続人全員の合意により預貯金を遺産分割に含めることは禁止しておらず、家庭裁判所の調停の実務でも、一般的には預貯金を遺産分割の対象に含めるという取扱いがされてきました。

このような現実から、平成28年決定の前であっても、預貯金は遺産分割の対象に含まれると思っておられた方が多いのではないかと思います。そのような意味では、この決定は一般的な感覚や銀行などでの実際上の取扱いにあわせたということができるかもしれません。

 

他方、この決定により、金融機関は、遺産分割協議がまとまるまでは相続人への払い戻しに応じる必要がないと主張する根拠ができたということができます。しかし、遺産分割協議ができていなくても、葬儀費用や相続税の支払いをしなければならない場合があります。そのような場合に、相続人の手持ちの資金が十分でないと、その支払に苦労することが考えられます。

このような場合に備え、遺言があれば相続人同士の争いを防止できるだけでなく、預貯金の引き出しがスムーズにできます。その際に、自筆の遺言だと、金融機関から遺言の有効性に疑問が呈されることがありますので、公正証書遺言の作成をおすすめします。

当事務所では、遺産分割や遺言の作成のご依頼も数多くお受けしておりますので、一度ご相談いただければと思います。

 

弁護士 水野 憲幸

名古屋丸の内本部事務所所属弁護士の中島悠介です。
早いもので,今年も残りわずかとなりました。年末に向けて寒さが本格的になるにつれて,名古屋市内でも,各地で冬らしい催しが見られるようになりました。
私が勤務する名古屋丸の内本部事務所の近辺でも,町中にイルミネーションが施されたりスケートリンクが設置されたりと,待ち全体がすっかり冬の装いになりました。

年末の行事が終わり,年が明けるとそろそろ確定申告の時期ですね。皆さんは,計画的にご準備されていますでしょうか。確定申告は主に所得税に関する手続きですが,ご存じのとおり,相続についても税金が関係する場面はいくつかあります。その中でも,やはりみなさんが最も気になるのは相続税ではないでしょうか。相続税というと,予想もしていなかった高額の税金が課されて驚いたといった話をよく耳にしますが,相続税の計算においては,税額等の控除が認められる制度がいくつもあります。基礎控除,配偶者控除という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが,ほかにも,未成年者控除,障害者控除,相次相続控除といったものがあります。このような制度をうまく組み合わせることで,支払わなければならない税金の額を軽減できることがあるのです。

その中でも,今回は,特に関係する方が多いと思われますので,配偶者控除という制度についてお話させていただこうと思います。

配偶者控除とは,被相続人の配偶者(夫,又は妻)が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が,1億6000万円か配偶者の法定相続分相当額かのどちらか多い金額までは,配偶者に相続税はかからないという制度です。
「配偶者の法定相続分」については,遺産・相続用語辞典をご覧ください。
ただし,この制度は,配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算されることになっています。
したがって,原則として,相続税の申告期限である被相続人の死亡から10か月までに分割されていない財産は税額軽減の対象になりません。
(ただし,相続税の申告書又は更正の請求書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付した上で,申告期限までに分割されなかった財産について申告期限から3年以内に分割したときは,税額軽減の対象になります。)

そこで,被相続人の死亡から原則として10か月,遅くとも4年程度で遺産分割協議がまとまらなければ,配偶者控除の制度を利用することができなくなってしまうのです。
1億6000万円の遺産に課税される金額は,事情にもよりますが数千万円にもなることがあります。
遺産分割が紛糾すると,何年もの間協議がまとまらないことがあります。そのようなことになると,非常に有利な控除の制度を利用することもできなくなり,結果的に払わなくても良かった税金まで払わなければならなくなることがあるのです。当事務所では,遺産分割事件も多数受任しておりますので,きっとお力になれると考えております。

また,生前に相続税対策を検討されている方もいらっしゃると思います。これまで説明したように,遺産分割でもめてしまっては税金が多くかかってしまうことがありますので,遺言を作成し,紛争を防止することは,相続税対策としても重要です。
相続税の計算方法は複雑で,専門的知識がなければ簡単には計算ができません。ましてや,複数ある控除の制度を組み合わせて相続税の額を可能な限り軽減する,というのはとても困難です。当事務所には税理士が在籍しており,弁護士と税理士の緊密な連携により最適な遺言作成のお手伝いをすることができます。弁護士と税理士の両方に一度にご相談いただくこともできますので,一度お電話にてお問い合わせください。

名古屋丸の内本部事務所 弁護士 中島悠介

日進赤池事務所で勤務しております、弁護士の佐藤康平と申します。
日進市は若い方が多い街なので、相続の話題はピンとこない方が多いかもしれませんが、「相続放棄」という言葉は、聞いたことのある方が多いと思います。

亡くなった方が多額の負債を抱えていたような場合、残された相続人としては、そのような負の遺産は、受け継ぎたくないものです。また、亡くなった方の家業を長男が引き継ぐような場合、他の相続人は相続を辞退したいということがあるかもしれません。
相続放棄とは、そのような時に、相続人が被相続人(亡くなった方です。)から受け継ぐべき遺産の全てを、放棄することを言います。

さて、相続放棄の手続は、原則として、「自己のために相続の開始があったことを知ったとき」から3か月以内、つまり、自分が相続人となっていることが分かってから3か月以内に、する必要があります(民法915条1項本文)。これを、「相続放棄の熟慮期間」といいます。
ところが、亡くなった方と相続人との関係が疎遠であったり、亡くなった方の財産や負債が多岐にわたっていたりするような場合、3か月では相続放棄をした方が良いのか、しない方が良いのか、判断ができないことがあります。

そのような場合、上記「相続放棄の熟慮期間」が経過していない段階であれば、家庭裁判所に申立をすることによって、「相続放棄の熟慮期間」を延長してもらうことができる可能性があります(民法915条1項ただし書)。
同申立が認められた場合には、その間に被相続人の財産を調査して、相続放棄をするかどうかを決定することになります。

では、相続放棄をするかどうか判断できないまま、「相続放棄の熟慮期間」が経過してしまった場合は、どうでしょうか。
この場合、残念ながら、原則としては、相続を認めてしまったことになり、相続放棄をすることは出来なくなってしまいます(民法921条2号)。しかし、この場合でも、最高裁判所の裁判例によれば、特別な事情がある場合には、相続放棄が認められることがあります。

同最高裁判所の裁判例は、詳細は割愛しますが、相続財産が全くないと誤信したことにつき、相当の理由がある場合には、相続財産の一部又は全部を知った時から、相続放棄の熟慮期間が始まるものと、判示しています。

話がややこしくなってきてしまいましたが、要するに、
1 相続放棄は、原則として、亡くなってから3か月以内にする必要がある。
2 3か月では判断できない事情がある場合、期間の伸長が認められることがある。
3 3か月が経過してしまった場合、原則として、相続放棄は出来なくなる。
4 ただし、特別な事情がある場合には、なお相続放棄が出来る可能性がある。
ということになります。

相続放棄の手続は、簡単にできそうに見えて、実は上記のような色々な問題が含まれています。また、上記のような期間制限がありますので、迅速に対応する必要があります。

弊所では、相続放棄の熟慮期間が経過してしまった場合の相続放棄の依頼も、多数お受けしております。相続放棄についてお悩みの方、3か月を過ぎてしまい、相続放棄をあきらめていた方、ぜひ一度、弊所までご相談下さい。
また、相続放棄に限らず、相続についてお悩みの方も、ぜひ一度、弊所までご相談下さい。

日進赤池事務所 弁護士 佐藤康平

  • 10月
  • 3
  • Mon
2016年

寄与分について

 津島事務所で勤務しております,深尾至と申します。私は今年の4月まで名古屋丸の内本部事務所で勤務していたのですが,津島では,名古屋よりも相続についてのご相談を受けることが多いと感じています。
 
 被相続人の生前,その介護等に尽力された方の中には,「私は,被相続人のためにこれだけのことを行ったのだから,遺産分割の際にこれを考慮して欲しい。」とお考えの方もおられるかと思います。
 
 相続が開始すると,共同相続人は,原則として,民法で定められた相続分(法定相続分)に応じて被相続人の権利義務を承継します。被相続人の子の法定相続分は等しいものとされていますから,被相続人の介護等にどれだけ尽力しても他の兄弟と法定相続分は同じことになります。
 
 もっとも,民法には,この法定相続分を修正する制度が定められており,その1つが寄与分です。

 寄与分とは,共同相続人中に,被相続人の財産の維持又は増加につき特別の寄与をした人がいるときに,その寄与に相当する額を法定相続分に上乗せすることを認める制度です(民法904条の2)。
 
 例えば,遺産が1500万円の現金のみであり,相続人が被相続人の子3人であったとします。この場合に,長男に300万円の寄与分が認められると,1500万円から300万円を引いた1200万円を相続財産として計算します。そして,長男はその3分の1である400万円に寄与分300万円を足した700万円を相続し,他の相続人は400万円ずつ相続します。
 
 寄与分は,上記のとおり,「特別の寄与」をした人に認められますが,どのような行為が「特別な寄与」と評価されるのでしょうか。
 
 一般的には,ある行為が,被相続人との身分関係において通常期待される程度を超える貢献であると言える場合,その行為は「特別の寄与」と評価され,その考慮要素としては,①通常の家族関係で一般的に期待される程度を超えること(行為の特別性),②報酬などを受け取っていないこと(無償性),③ある程度の長期間続けたこと(継続性),④片手間で行っていないこと(専従性)等の点が挙げられます。
 
 一般的には上記のとおりですが,寄与分が認められるかどうかは,まさにケースバイケースです。冒頭のようにお考えの方は,寄与分が認められ得るケースであるのか,一度弁護士にご相談されることをお勧めします。

津島事務所 弁護士 深尾至

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