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相続ブログ

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2017年

事業承継と相続

相続といえば、個人財産の相続を思い浮かべる方も多いと思われますが、被相続人が個人事業主や会社経営者である場合、個人財産の相続だけでなく、事業を誰にどうやって引き継がせるのかを悩んでいる方も多いと思います。

いわゆる事業承継の問題ですが、事業承継を考える際には、その方法(贈与や譲渡、相続等さまざまな方法が考えられるでしょう)から、それに伴う税金対策のことまで、入念な事前検討・準備が必要です。
この内、相続による方法を簡単に述べれば、遺産相続の際の遺産分割を利用して後継者に自社株式を相続させるものということになるでしょうが、自社株式を誰が相続するのか相続人間で争いにならないように、適切な遺言書を残しておくことが必要です。
中小企業の場合、旧代表者(被相続人)が所有する自社株式の割合が、相続財産全体に占める割合の多くを占めている場合もあります。

仮に自社株式が相続人らに分散して承継されてしまうと、今後の会社経営に支障をきたす場合もあり問題ですから、被相続人としては自社株式を集中して後継者(例えば相続人の1人)に承継させたいと思うことも多いでしょう。
しかし、その場合、その他の相続人の遺留分を侵害する可能性があります。他相続人が遺留分減殺を請求し、後継者に侵害額を保証できる資力がない場合には、結局は侵害額分の自社株式を渡さなければならないこともあり得ます。
この遺留分への対応策として、遺留分の放棄制度や遺留分に関する民法の特例(経営承継円滑化法の除外合意や固定合意)等があげられますが、民法特例の対象となる会社・経営者・後継者には要件があり(詳細は省略します)、また、非後継者となる相続人らの協力が必要になる等、状況によっては利用できない場合もあります。

いずれにせよ、事業の承継を考える場合には、事前検討・事前準備を行うことが大切ですので、個人財産の相続と合わせて早めの事前検討・事前準備を行うことをお勧めします。

 小牧事務所 弁護士 奥村 典子

  • 5月
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2017年

相続人が認知症の場合

 藤が丘事務所の弁護士長江昂紀です。5月に入って気温も高くなり,名古屋市名東区の猪高緑地の緑も一層色濃くなってきました。今回は,遺産分割を行うときに直面することがある困った事態についてお話します。
 
 父親が死亡して,遺産分割協議をしようと思ったが,母親に認知症の疑いがある,そんなときに認知症になっている相続人がいても遺産分割の合意ができるのでしょうか。
 まず前提として,遺産分割の合意は相続人全員で行わなければなりません。仮に,話し合いができないからといって,相続人の内の1人を含めないで合意した場合,当該遺産分割は無効になります。当然,他の相続人の署名押印を勝手に行った場合も,遺産分割は無効です。
また,遺産分割の合意は,遺産分割の内容を理解して,その善し悪しを判断できる相続人が行わなければなりません。遺産分割の内容を理解して,その善し悪しを判断できることを,意思能力があるといいます。
 
 認知症と一口にいっても程度は様々ですので,認知症の方全てが有効な遺産分割を行えないわけではありません。遺産分割の内容を理解して,その善し悪しを判断できない重度の認知症の場合は,意思能力がないと判断され,有効な遺産分割の合意ができません。
では,意思能力のない相続人がいる場合,どのように遺産分割の合意を行えば良いのでしょうか。このような場合のために,成年後見制度が用意されています。
 成年後見制度とは,意思能力のない人のために,成年後見人と呼ばれる代理人をつける制度です。この制度を利用し,成年後見人をいれて遺産分割の合意をする必要があります。
 そして,成年後見制度を利用するためには家庭裁判所に申立をする必要があります。制度の説明や申立のお手伝いもいたしますので,是非一度,愛知総合法律事務所にご相談下さい。
 
 また,このような煩わしい遺産分割協議を避けるために遺言を書くこともおすすめです。遺言についても是非ご相談下さい。

 藤が丘事務所 弁護士 長江 昂紀

 4月に入りようやく春らしい日が増えてきました。高蔵寺に事務所を開設してからはじめての春です。高蔵寺をはじめ、春日井市近隣の皆様におかれましては、今後とも愛知総合法律事務所高蔵寺事務所にご愛顧のほど、お願い申し上げます。
 
 遺産分割の話し合いが相続人間で整わない場合、裁判所にて遺産分割調停を試みることになります。今回は、遺産分割調停はどこの裁判所で行うことができるのか、また実際に裁判所に行かなければならないかについてお話ししたいと思います。
 
 遺産分割調停は、原則として、相手方の住所地の裁判所か、相続人が合意した裁判所に起こす必要があります。愛知県内には、名古屋市のほか一宮市、半田市、岡崎市、豊橋市にそれぞれ家庭裁判所があり、それぞれ管轄地域が決まっています。相手方が複数人いる場合は、どの相手方の住所地の裁判所を選んでもかまいません。

 したがって、他の相続人が遠方に住んでいる場合には、遠方での調停手続きとなることがあります。また、調停は話し合いの手続きですので、書面の提出だけで進めていくことはできず、基本的には本人または代理人が出廷する必要があります。しかし、遺産分割調停は、遺産の内容や相続人の人数・キャラクターなどによっては長期化する可能性があり、遠方の裁判所で遺産分割調停を行うことは負担になるかもしれません。

 このような場合のために、法律上、電話会議システムを利用した調停手続きが用意されています。電話会議システムを利用した場合、裁判所に出廷せずに、電話で調停手続きを行うことができます。

 ただし、電話会議システムは「電話の場に第三者がいない」ことを裁判所が確認できなければ利用できません。なぜなら、家事調停手続きは訴訟とは異なり非公開の手続きであり、電話会議も例外ではないからです。弁護士事務所の電話を使うのであれば、第三者はいないことを弁護士が保証する形で電話会議システムが利用できる場合が多いといえますが、ご自宅の電話を使うのは難しいかと思います。

 また、弁護士に依頼するのであれば、代わりに弁護士が遠方の裁判所に出廷することもできます。
 
 一般に、相続人の一部が遠方に住んでいる場合は、協議の場が限られるため、遺産分割協議が難航しやすいといえますが、弁護士事務所の活用により道が開けることも多いかと思います。是非お気軽にご相談ください。

高蔵寺事務所弁護士 服部文哉

早いもので、2017年に入って1か月がたちました。今回の相続ブログでは、平成28年12月19日の最高裁判所決定(以下、「平成28年決定」とします。)について、かいつまんでお話したいと思います。

 

この決定について、ニュースなどでご覧になった方は多いと思います。「預貯金が遺産部分割の対象になるかについて、最高裁判所の判例が変更された。」という記事を見て、その影響について心配に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

これまで、預貯金については、相続人間で遺産分割をしなくても、相続の開始と同時に分割され、各相続人が法定相続分にしたがって預貯金を取得する、とされてきました(昭和29年4月8日最高裁判所第一小法廷判決、平成16年4月20日最高裁判所第三小法廷判決)。

これに対し、平成28年決定は、「共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となるものと解するのが相当である。」という判断を示しました。

 

さて、以上の内容を見て、疑問に思われることはないでしょうか。特に、平成28年決定の前に遺産分割に参加した経験をお持ちの方は、自分の経験とは違うと思われるかもしれません。

 

多くの金融機関は、遺産分割前に各相続人が自分の法定相続分に相当する額の預貯金の払い戻しを求めても、簡単にはこれに応じてくれないことが通常でした。遺言がない場合には、相続人全員の実印での押印のある遺産分割協議書と、印鑑証明書がなければ、払い戻しに応じてはくれないことがほとんどでした。

また、これまでの判例も、相続人全員の合意により預貯金を遺産分割に含めることは禁止しておらず、家庭裁判所の調停の実務でも、一般的には預貯金を遺産分割の対象に含めるという取扱いがされてきました。

このような現実から、平成28年決定の前であっても、預貯金は遺産分割の対象に含まれると思っておられた方が多いのではないかと思います。そのような意味では、この決定は一般的な感覚や銀行などでの実際上の取扱いにあわせたということができるかもしれません。

 

他方、この決定により、金融機関は、遺産分割協議がまとまるまでは相続人への払い戻しに応じる必要がないと主張する根拠ができたということができます。しかし、遺産分割協議ができていなくても、葬儀費用や相続税の支払いをしなければならない場合があります。そのような場合に、相続人の手持ちの資金が十分でないと、その支払に苦労することが考えられます。

このような場合に備え、遺言があれば相続人同士の争いを防止できるだけでなく、預貯金の引き出しがスムーズにできます。その際に、自筆の遺言だと、金融機関から遺言の有効性に疑問が呈されることがありますので、公正証書遺言の作成をおすすめします。

当事務所では、遺産分割や遺言の作成のご依頼も数多くお受けしておりますので、一度ご相談いただければと思います。

 

弁護士 水野 憲幸

名古屋丸の内本部事務所所属弁護士の中島悠介です。
早いもので,今年も残りわずかとなりました。年末に向けて寒さが本格的になるにつれて,名古屋市内でも,各地で冬らしい催しが見られるようになりました。
私が勤務する名古屋丸の内本部事務所の近辺でも,町中にイルミネーションが施されたりスケートリンクが設置されたりと,待ち全体がすっかり冬の装いになりました。

年末の行事が終わり,年が明けるとそろそろ確定申告の時期ですね。皆さんは,計画的にご準備されていますでしょうか。確定申告は主に所得税に関する手続きですが,ご存じのとおり,相続についても税金が関係する場面はいくつかあります。その中でも,やはりみなさんが最も気になるのは相続税ではないでしょうか。相続税というと,予想もしていなかった高額の税金が課されて驚いたといった話をよく耳にしますが,相続税の計算においては,税額等の控除が認められる制度がいくつもあります。基礎控除,配偶者控除という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが,ほかにも,未成年者控除,障害者控除,相次相続控除といったものがあります。このような制度をうまく組み合わせることで,支払わなければならない税金の額を軽減できることがあるのです。

その中でも,今回は,特に関係する方が多いと思われますので,配偶者控除という制度についてお話させていただこうと思います。

配偶者控除とは,被相続人の配偶者(夫,又は妻)が遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が,1億6000万円か配偶者の法定相続分相当額かのどちらか多い金額までは,配偶者に相続税はかからないという制度です。
「配偶者の法定相続分」については,遺産・相続用語辞典をご覧ください。
ただし,この制度は,配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算されることになっています。
したがって,原則として,相続税の申告期限である被相続人の死亡から10か月までに分割されていない財産は税額軽減の対象になりません。
(ただし,相続税の申告書又は更正の請求書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付した上で,申告期限までに分割されなかった財産について申告期限から3年以内に分割したときは,税額軽減の対象になります。)

そこで,被相続人の死亡から原則として10か月,遅くとも4年程度で遺産分割協議がまとまらなければ,配偶者控除の制度を利用することができなくなってしまうのです。
1億6000万円の遺産に課税される金額は,事情にもよりますが数千万円にもなることがあります。
遺産分割が紛糾すると,何年もの間協議がまとまらないことがあります。そのようなことになると,非常に有利な控除の制度を利用することもできなくなり,結果的に払わなくても良かった税金まで払わなければならなくなることがあるのです。当事務所では,遺産分割事件も多数受任しておりますので,きっとお力になれると考えております。

また,生前に相続税対策を検討されている方もいらっしゃると思います。これまで説明したように,遺産分割でもめてしまっては税金が多くかかってしまうことがありますので,遺言を作成し,紛争を防止することは,相続税対策としても重要です。
相続税の計算方法は複雑で,専門的知識がなければ簡単には計算ができません。ましてや,複数ある控除の制度を組み合わせて相続税の額を可能な限り軽減する,というのはとても困難です。当事務所には税理士が在籍しており,弁護士と税理士の緊密な連携により最適な遺言作成のお手伝いをすることができます。弁護士と税理士の両方に一度にご相談いただくこともできますので,一度お電話にてお問い合わせください。

名古屋丸の内本部事務所 弁護士 中島悠介

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