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相続ブログ

過去の記事

 人が亡くなったときに、相続が開始します。この場合、法定相続人となる資格を有する者がいらっしゃる場合には、その方が被相続人の財産を相続することになります。

 また、相続人がいらっしゃらないときでも、被相続人の方が生前に遺言を作成していれば、その方が被相続人の財産を取得できます。

 では、生前の遺言も存在せず、法定相続人がいない場合には、亡くなった被相続人の財産はどうなるでしょうか。

 生前、被相続人の介護等の世話をしていたり、被相続人に資金面の援助をしていた方がいらっしゃるときに、被相続人の財産を取得することはできないでしょうか。

 法律上、相続人のあることが明らかでないときは、被相続人の相続財産は、法人となります(民法951条)。これは、相続財産について、所有者がいない状態になることを防ぐためです。

 この場合、利害関係人等の請求があったときに、家庭裁判所が相続財産管理人を選任します。相続財産管理人は、被相続人の財産について、精算・管理を行います。

 相続財産管理人は、その後も、相続人のあることが明らかでないときは、家庭裁判所に対して、相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨の公告をするように請求します。

 そして、この一定の期間内(最低6ヶ月)において、相続人としての権利を主張するものが表れなかった場合には、本来の相続人及び受遺者はその権利を行使することができなくなります。

 そして、この場合に、亡くなった方の財産は、どうなってしまうのでしょうか。財産はすべて国庫に帰属されてしまうのでしょうか。

 ここで、法律では、家庭裁判所が相当と認めるときには、一定の範囲の人に、亡くなった方の財産の全部又は一部を与えることができるとされています。

 この、一定の範囲の人とは、「特別縁故者」と言われます。

 いかなる人が特別縁故者に該当するかについては、法律上「被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者」などと定められていますが、これはあくまで、例示であり、最終的には裁判所の裁量にゆだねられています。

 なお、特別縁故者の方の相続財産の分与の申立は、上記の公告期間の満了後、3ヶ月以内にする必要がありますので、ご注意ください。

 もし、身寄りがいないような方のお世話をされていた方や、生前に金銭的な援助等をしていたことがあるような方で、自身が特別縁故者に該当するか疑問に思われた方は、一度弊所にご相談されることをお勧めいたします。

                                 岡崎事務所 弁護士 安井 孝侑記

  • 3月
  • 16
  • Fri
2018年

遺言書作成の勧め

 名古屋藤が丘事務所にて執務しております弁護士の横田秀俊と申します。

 さて,この相続ブログをご覧いただいている方の中には,遺言書の作成をお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 そこで,今回は,遺言書について,お話しをさせていただきたいと思います。

1 遺言書作成の勧め

 そもそも「遺言」とは,遺言者の死亡後の財産処分等について,被相続人の意思を相続人に残すものです。

 遺言書がなくても,相続人全員で話し合いを行い,遺産を分割することができれば,問題がありません。その場合は,遺言書を作成する必要すらないのでしょう。

 しかし,遺言書がなく死亡した場合,相続人全員で話し合いしたとしても,まとまらずにトラブル(「争族」)に発展することが少なくありません。これまで仲の良かった親族が,相続をきっかけにいがみ合ってしまうことさえあります。
遺言書があれば,相続人も,被相続人の最終的な意思であるとして,感情的に受け入れやすくなるということもあります。

 そのため,私は,後世に禍根を残さないためには,遺言書を作成することをお勧めします。

2 遺言書の種類

 遺言書には,大まかに2種類あります。①自筆証書遺言と②公正証書遺言です。

 自筆証書遺言は,「いつでも作成できる」「証人が不要」「費用もかからない」というメリットがある一方で,「不備が生じやすい」「検認手続が必要」「紛失の可能性」があるというデメリットもあります。

 公正証書遺言は,「口述するだけでよい(手書の必要なし)」「公証人(専門家)が作成してくれる」「遺言の保管が確実」「検認の必要がない」というメリットがある一方で,「証人2人必要」「公証人の手数料がかかる」というデメリットがあります。

 遺言書の形式選択にあたっては,上記メリット・デメリットを比較し,自らにあった形式を選択するべきです。

 しかし,後世に禍根を残さないためには,公正証書遺言の形式の方がより確実です。
たしかに,公正証書遺言作成には,「証人2名必要」「手数料」というデメリットはありますが,公証人の作成手数料といいましても多額なものではございませんし(日本公証人連合会HP:http://www.koshonin.gr.jp/business/b01),ご依頼をいただければ,弊所所員2名が公証役場まで同行しますので,「証人2名必要」という点も問題ございません。

 このように,公正証書遺言には,デメリットに比して余りあるメリットがあります。

 そのため,後世に争い事を残したくないとお考えであれば,公正証書遺言の形式で遺言書を作成されることをお勧めします。

3 最後に

 いずれの形式で遺言書を作成するにしましても,遺言書作成には,遺産の確定,相続人調査,遺留分の範囲,遺産の分配方法など調査・決定しなければならない事柄は山のようにあります。

 このブログをご覧いただいている方で,どのような形式の遺言書が良いのか,遺言書の内容をどのように定めるべきかお悩みの方がいらっしゃれば,いつでもご相談ください。

 一緒に考えましょう!

                               名古屋藤が丘事務所 弁護士 横田秀俊

  • 2月
  • 23
  • Fri
2018年

相続放棄の留意事項

 相続と言うと、お亡くなりになった方の預貯金や不動産といったプラスの財産(資産)の承継がイメージされますが、借金のようなマイナスの財産(負債)についても同様に承継されます。

 この記事では、お亡くなりになった方が、多額の負債をかかえていた場合の相続について、コメントしたいと思います。

 たとえば、お父様が多額の負債をかかえてお亡くなりになった場合、子であるあなたは、何らの手続をとらないと、お父様の負債を承継することとなります。そのため、お父様の債権者は、子であるあなたに対し支払いの請求をすることができ、あなたはこれを拒めないこととなります。このような事態を防ぐためには、「相続放棄」の手続をとることが考えられます(民法915条)。

 相続放棄の手続をとれば、最初から相続人にはならなかったものとみなされ、多額の負債を承継することもなくなります。

 お父様とあなたは別の人格ですので、お父様の負債を必ずしも承継する必要はないのです。

 もっとも、相続放棄の手続をするためには、いくつかの留意事項があります。

 1つは、過去のブログ記事にもあるように、お父様がお亡くなりになったことを知ってから3ヶ月以内に、家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません。申述できる家庭裁判所は、家庭裁判所ならどこでもよいというわけではなく、お父様の最後の住所地を管轄する家庭裁判所となります。

 また、3ヶ月以内であれば、必ず相続放棄ができるかと言えば、そうとも限りません。たとえば、お父様には隠してあった預金があり、これをあなたが口座凍結前に引き出して費消してしまった場合には、相続を承認したものとみなされ(民法921条)、相続放棄できなくなる可能性があります。

 その他、留意しておくこととしては、あなたが相続放棄することによって、他の親族が相続人になる可能性があるということです。

 たとえば、あなたに兄弟がおらず、お父様の唯一の子であった場合、あなたが相続放棄をすると、まずはお父様方のお祖父様やお祖母様が、相続人となります。お祖父様やお祖母様がすでにお亡くなりの場合には、お父様方の叔父様や叔母様が、相続人となります。自分が相続放棄することで、他の親族が相続人になる場合には、その旨を連絡し、場合によっては、他の親族にも相続放棄手続の案内をすることが親切といえるでしょう。

 相続放棄の手続は、複雑なものではございませんが、手続をあやまると予期せぬ事態を招いてしまうことがあるので、ご心配等ございましたら、弊所にご相談いただければと思います。

                          名古屋丸の内本部事務所 弁護士 柿 本 悠 貴

  • 12月
  • 22
  • Fri
2017年

離縁手続の進め方

1 高齢化社会,そして少子化社会に伴い,養子縁組の活用が増えています。非課税枠を増やすという副次的な目的を有する養子縁組も多く見られます。

2  しかし,一度養子縁組をしたら,簡単には解消できない,ということも知っておくべきです。離婚に比べて数は多くはありませんが,「離縁をしたい」,あるいは「離縁を求められた」という相談も受けることがあります。

3 離縁については,民法811条から記載があります。養子縁組をした当事者は,その協議によって離縁をすることができます。協議離婚と同じように,当事者の協議が整えば,離縁をすることができるのです。

4  しかし,一方が離縁を望み,一方が離縁を拒んだ場合は,どのように手続が進むのでしょうか。

5  このような場合,家庭裁判所に調停を申し立て,調停の場で互いに協議することになります。そして調停もまとまらなければ,離縁訴訟を提起することになります。

6  名古屋家庭裁判所では日々多数の離婚調停,遺産分割調停が申し立てられておりますが,離縁調停は決して件数は多くはありません。事例の蓄積も離婚や遺産分割ほどは多くはなく,どのような場合に離縁ができるのかは明確な基準はありません。

7 民法814条は,縁組を継続し難い重大な事由がある場合に離縁できると定めています。裁判例上は「養親子としての精神的・経済的な生活共同体の維持もしくはその回復が著しく困難な程度に破綻したとみられる事由がある場合」とされており,客観的な破綻状態と縁組の目的などの縁組成立時の事情を相関的に勘案して判断すべきとされています。

8  例えば成年になってから養子となる場合は,家業を継ぐ,相続をする,扶養をする,などの目的があるのが通常です。この場合,当初の目的が達成できなくなったか否かが重要になります。

9  また,暴行や虐待があるケースや,金銭や不動産を巡り訴訟等になった場合なども,破綻が認定されやすい事由です。

10  単なる性格の不一致で離縁が認められるかは事案によります。対立,葛藤が継続し,養親子関係が完全に冷却状態になっている必要があるとされます。例えば何十年も前に養子として迎え入れ,自らが年を取り相続対策のために離縁を求めることもありますが,このような場合は,簡単に離縁が認められるとは限りません。

11  離縁に関しては,裁判例の集積が乏しく,見通しを立てるのが難しい分野です。また数少ない裁判例を分析すると,調停時や交渉時の発言も結論を決める一要素としているように思われる案件も散見されます。感情の機微に触れる部分でもありますので,有利・不利で決めることでもないのかもしれませんが,やはり離縁を求める際,あるいは求められた際は,今後どのように手続が進んで行くのか,どのような対応を取るべきなのか,一度は弁護士に相談をしてから,手続を進めた方がよいでしょう。
                             日進赤池事務所 弁護士 森 田 祥 玄 

 

祭祀承継者という言葉をご存じでしょうか。読んで文字のごとくですが,先祖の祭祀を主催することを承継する人のことです。
 民法では,897条に1条の条文で記載されています。

 1項 系譜、祭具、墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
 2項 前項本文の場合において、慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は家庭裁判所が定める。

 1項にいうところの「前条の規定」とは,相続の一般的効力の規定であるため、祭祀承継は相続の手続によらないことが規定されています。そのため,祭祀承継は,相続とは別個の手続をもって決めることになります。
 相続とは別個の手続であるため,被相続人の遺産について相続放棄をした者でも,祭祀承継者になることができます。

 

 では,具体的に条文の内容を見てみましょう。

 祭祀承継の対象となるのは,「系譜」,「祭具」,「墳墓」の3つです。
 「系譜」とは,先祖伝来の家系を表示したものです。一般的に,記載される人物の出生から死亡までの略歴が記載されています。
 「祭具」とは,祖先の祭祀や礼拝に使用するもので,仏壇・神棚・位牌などをいいます。
 「墳墓」とは,簡単にいうと「墓」のことです。典型的には墓石などの墓標を指しますが,墓地の所有権や使用権も含まれると考えられています。
 これらの物は,相続とは関係がなく,祭祀承継者が承継することになります。

 祭祀承継者は,慣習によって決まります。ただし,被相続人が祭祀承継者を指定していた場合には,指定された者が祭祀承継者となります。この点は,相続における遺言に類似しています。
 慣習とは何かについてよく問題になりますが,慣習について法律上の決まりはありません。イメージとしては,長男承継,男性承継というイメージが思いつきやすいかもしれませんが,差別的意味合いを含むことから慣習とは認められないものと思われます。
 現実的には,相続人間の話合いによることになるでしょうが,祭祀承継者が決まらない場合には家庭裁判所が決めることになります。
 裁判所は,「祭祀財産の承継者を指定するにあたっては,承継者と被相続人との身分関係のほか,過去の生活関係及び生活感情の緊密度,承継者の祭祀主宰の意思や能力,利害関係人の意見等諸般の事情を総合して判断する」ようです(大阪高等裁判所昭和59年10月15日決定)。

 祭祀承継者の指定で紛争になる場合,祭祀承継者は1人しか認められないという点がネックになり,紛争が激化・長期化しがちになります。分割するという選択肢がないため,遺産分割よりも解決のための選択肢が必然的に少ないことになります。
 さらに,家族同士での争いであるため,精神的な疲労度も高くなります。
 
 祭祀承継者の指定を未然に防ぐ手段は,被相続人が生前に祭祀承継者を指定しておくことです。遺言を生前に準備することは多いかと思います。遺言を準備する際にあわせて祭祀承継者を指定しておくことが望ましいと思われます。

 

                                    春日井事務所 弁護士 森下 達

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